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たけちゃんForever(8)

3代目たけちゃんは、人間が何か食べていると、嘴で口元を突っついてくるようになった。床で遊んでいても、足を伝って這い上がり、あっという間に肩まで登ってくる。

自分にもちょうだい!

肩の上から身体をめいっぱい伸ばすが、人間の口元には届かない。落っこちないように、爪を立てるから、薄手のTシャツだと、生地を突き抜けて肌に刺さる。痛いよ。肩から鎖骨辺りまで移動して、今度は下から口元にアッタクしてくる。爪だけじゃなく、嘴も痛いよ。唇の隙間に強引に嘴を突っ込んでガジガジやるのだ。こっちが唇をムギュっと閉ざそうものなら、怒って突っついてきたりして、すっごく痛い。

自分はイヤだったので、そもそも、たけちゃんを肩に乗せるようなことはしなかった。たけちゃんのターゲットになったのは、父と弟だった。ほどなく、人間の食事の前に、たけちゃんは籠に入れられるようになった。

 

今、調べてみたところ、オスのセキセイインコは、求愛行動として吐き戻した食べ物をメスに与えるそうだ。でも、この当時は知らなかった。そういえば、籠の中に鏡が取り付けられていたな。2代目たけちゃんは、鏡に映っている鳥(つまり自分)の嘴に自分の嘴をくっつけて、黒目を小さくして、ギュルッピーギュルッピー鳴きながらエサを吐き戻していた。付着して白く乾いてしまうので、頻繁に鏡を拭かなきゃいけなかったよ。おお。次々と思い出されてくるぞ。2代目たけちゃんは、丸めたティシューの上に乗ってツイストしてたよ。母は爆笑していた。いや、笑ってる場合じゃなかったんだよ。発情し過ぎて病気になることもあるって、書いてあったよ。今思うに、2代目たけちゃんはオスだったんだな。
対して、3代目たけちゃんには吐き戻しは見られず、もっぱら欲しがる方だったと記憶している。

ヤケド

食事中、籠に入れられるようになる前のことだと思う。父が食卓でラーメンを食べていた。いつものことだが、父は、たけちゃんが肩に乗っているかどうか、気にかけていない。
…と、父の肩から、腕を駆け下り、お箸を持つ手の先までやってきて、どんぶりの中に身を乗り出した。父がアッと思って急に手を動かしたから、バランスを崩したたけちゃんは、 翼を バタつかせながら、どんぶりの中にチャポンと入ってしまった。
麺や具の上に乗っかっちゃったわけで、スープの中で溺れたという訳ではないが、ほんの一瞬、足がスープに浸かってしまった。ラーメンのスープは熱いよ!

すぐに足を水で冷やしてあげたけど、痛そうだった。かわいそうなたけちゃん>_<

母は激怒だよ。父はムチャクチャ怒られたよ。
父の肩に乗っていると、ろくなことがない。