『巨人たちの星』読み終わりました!

巨人の星、ではないので、ヒューマもサモンも出てこない。J.P.ホーガンの巨人たちの星シリーズの3作目。

 

このシリーズはスターウォーズの少し後で発表された作品であるので、影響はモロに受けていると思うのだが、物語の規模や時代は宇宙戦艦ヤマトの方に近いか。

 物語の舞台は2020年代終わり頃。地球人は、第二次世界大戦後、科学技術を人類すべての平和と繁栄を目標として使うのだと、軍縮を進め、イデオロギーの違いを乗り越え、今や一丸となって宇宙に繰り出している、けど、まだ太陽系の外には出ていない…という状況。

 

シリーズを通して、作中に人類の代表として登場するのが、アメリカ人、ソヴィエト人、スウェーデン人。全地球をあげて戦う(というウソの筋書きの中の)部隊がアメリカ軍、ソヴィエト軍中国軍をメインにしている。国として名前が登場するのは、他に、イギリス、フランス、カナダ、ブラジルなど、北南米大陸とヨーロッパ。あとは、アフリカとか東南アジアとかいう単語が1度出てきた程度。やはり、このお話が書かれた1970年代終わりには、たとえ50年先でも、アフリカやアジアの人や国が地球人の代表として大活躍するようになることはあり得ないことだったか。

 ちなみに、「日本」なんて国名はただの一度も出てこない(あ、チラ見した続編で、ヤマモトっていうお金勘定が得意な人が登場する)。挙げ句の果てに、「人類はその強暴性ゆえに全面核戦争に突入する可能性もあったが、見事に回避して、核なんて使われた事実はない!」とアメリカ人が宇宙人に説明するくだりまである。ま、フィクションなんだから、日本て国がなかろうが、核兵器が使われたことがなかろうが、勝手なのである。

 

ちょっと残念なのが、2作目、3作目と進むうちに、登場人物の人間関係や性格を語るノウテンキなエピソード、あるいは地球人アッパレ的な表現の割合が多くなって、お話がゆる〜くなってきた点。