趙治勲先生

以前、趙治勲先生と囲碁ソフトとの対局のことを書いた。

自分は一昨年のニコニコ超会議を観て、趙治勲さんに注目するようになったのだ。

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加藤一二三九段(以降、ひふみん

加藤一二三|棋士データベース|日本将棋連盟

テレビでも活躍しているので、ご存知の方も多いだろう。とにかくしゃべりだしたら止まらない。どんどん脱線していくし、記憶力が良くて昔のことを微に入り細に入り話しちゃうもんだから、聞いている方が困ってしまう。でも、中学生でプロ棋士になり、名人も経験したレジェンドだ。最近は藤井四段の誕生で、最年少プロデビューの記録が塗り替えられたり、最大年齢差対局があったりと、ニュースにもなった。

 

趙治勲名誉名人(以降、ちくん先生)

趙 治勲 | 棋士 | 囲碁の日本棋院

ちくん先生のことは詳しくは知らなかった。でも、将棋のことを知らない人でも羽生さん(時代によっては大山さん、升田さん、谷川さんなど)の名前は聞いたことがあるように、囲碁を知らない自分でも「趙治勲」の名前はずいぶん前から知っていた。タイトルいっぱい獲ってる(史上最多74期)スゴイお人だ。NHK杯で読み上げの人のお茶を飲んじゃった話や、あの風貌から、やんちゃな人なのかと思っていた。あと、シャツとネクタイがオシャレって印象もあった。なお、このニコニコ超会議の3ヶ月ほど後に奥さんを亡くしている。

 

この2人が囲碁と将棋を同時進行で、しかも途中でトークもしつつ対局するって、とんでもない事態になるに違いない!と誰もが思っただろう。

 

あれ?こっちばっかりやっちゃった?次は僕でしたか?

トークが白熱して、囲碁だけ、または将棋だけが進行しちゃったり、どっちの手番か分からなくなったり。


自分はいつの間にか司会の吉川精一さん(元NHKアナウンサー。カンニング疑惑の第三者委員会の調査結果報告についての読み上げ中継に出ていた方)を応援していたよ。二人の話に同調しつつも手綱をしっかりと握り、番組を見事にコントロールしていた。さすが!

 

ちくん先生はひふみんの碁を褒めて、自分が負けそうですって何度も言って、自分の将棋の方は加藤先生が緩めてくれたって。ひふみんも同じように、ちくん先生の将棋を褒めてた。

2人とも、企画の趣旨を理解して、変なことにならないよう節度をもって出演していたよ。全然とんでもない事態にはならなかった(あ、ほとんど吉川さんのおかげだけど)。

 

ちくん先生で印象的だったのが…

「自分はあるときからパタッと勝てなくなった。すごく悩んで、もう辞めようかと思ったこともあったが、今は、自分は山のこの辺で(手で山の頂上より下を示す仕草で)戦っていけばいいって思っている。」と言ってたこと。

ジーンときたよ。

あと、ひふみんが長考することについて、「加藤先生にね、もっと時間を残して指してほしいの。若い人(あ、ガキんちょ、って言ってたかな?)に時間攻めされて負けるところを見るに忍びないんです。」というようなことを言ったこと。

70歳を過ぎて現役を続けているひふみんを尊敬してたと思うし、心からひふみんに勝ってほしいと思ってたよね、ちくん先生は。

 

「とんでもない事態にならなかった」と書いたが、ひとつ、とんでもないことを言ったかも。
おやつに出されたポップコーン🍿を「おいしくない」って。ま、観てる方からすると一番盛り上がったところだけどね。

 

是非一度観てほしい。