趙治勲先生、勝ちました!

趙治勲名誉名人とDeep Zen Goの囲碁電王戦は、2勝1敗で趙治勲名誉名人が勝った。

 

開始から2時間ほど経ったところからニコ生を観た。

解説(今日は井山裕太六冠と吉原由香里六段)は和やかな雰囲気でよかった。ちくん先生への愛と、Zen(とその開発者)への敬意があったと思う。

特に、途中で小林覚九段が出てきて、井山さんと二人で「どう打つんでしょうね?」「んー。どー打つんだろーねー。」「こうこうこうで、これだと事件ですよ?」「んー。事件だねー。」という調子で解説していたのが面白かった。※解説の中身は全く分からなかったけどね。

 

記者会見で、TBSのなんとかっていう番組のなんとかっていう記者が、

「人間の方が優れていると思ったのはどういう点か?」

と聞いた。

ちくん先生は、

「将棋やチェスと違い、碁石には何の価値もない。強い人が碁盤の上に置くと金にも銀にもなる。布石は創造の世界。AIがそういう創造の世界で、自分が50年以上学んできたことをひっくり返すような発想で打ってくる。」

と答えた。

これは、「人間の方が優れている点はないと思う。」という意味だよ。
なのに、そのなんとかっていう記者は、ちくん先生が質問の意味を理解できなかったと思ったのか、重ねて「人間の方が優れていると思う部分はありましたか?」と聞いてきた。しつこいんだよ、ってか、あなたが理解できていないんだよ(´・ω・`)

ちくん先生は、

「我々は、読みを入れられるとか、そういう細かい点は評価しないんです、内弟子の碁を見るときでも。自分(人間)がするようなミスはいっぱいあったけど、そんなのは簡単に直ると思う。」

と、要は、今、人間の方が強い部分があっても、そこは重要な部分ではない、人間が優れていると言える部分はないってことを答えたよ。

 

わかったのかな、TBSのなんとかっていう番組のなんとかっていう記者さんは?

 

「部分的に機械学習ではなくプログラムに頼ってるところがあり、そこの弱点もあるだろうし、今後ディプラーニングを工夫していけば、もっと強くなる。」

という開発者の話を、ちくん先生はちゃんと理解した上で、

「3月の時点では全然弱かったのが、半年でものすごく強くなった。それでも9月の時点で棋譜を見たときにはまだ勝てる自信があった。でも、あと半年経てば全く勝てないかもしれない。それでも、負けて恥ずかしいとか悔しいとか思わない。強くなってくれたら嬉しい。人間もそれで勉強してもっと強くなれる。」

ということを、終局直後のインタビューでも記者会見でも繰り返し述べていた。

 

将棋は、以前は、連盟のエライ立場の人がなかなか「人間は勝てない。」と認められず、「○○の面は人間の方が優れている。」的なことを言ってたけど(今は違うけど)、ちくん先生はさすがだと思った。

※ちくん先生に注目するきっかけは、また後日。

 

ちなみに囲碁は、7年ほど前に『まんが囲碁入門』の初級編と実践編を読んだのだが、打てない自信がある。もう一度読んでみようかな?